ダウン症の原因と最新治療の可能性

ダウン症について、よく調べていたのは、息子が生まれた当初の14年前です。
このごろ思ったんです。

「そう言えば、私は、一昔前の情報しか持っていないなぁ」

今では、出生前診断が一般的な検査として普及していたり、社会福祉制度も改正されています。
ダウン症の社会的見解も、昔とは違ったものになっているでしょう。
当時と今では、明らかに得られる情報も増えているはずです。

息子が赤ちゃんだったころに受け取った情報は、もう古くて当然ですね。
良い機会なので、これからの彼の生活を考えるうえでも、私自身の中の「ダウン症」の概念を一新したいと思います。

もう一回、ダウン症の原因を捉え直して、さらにダウン症の最新事情も調べてみようと思っています。

さあ、ではまず、ダウン症の原因からおさらいしていきましょう。

ダウン症の原因

21番目の染色体が1本多い

21トリソミー染色体のカリオタイプ
http://www.ornl.gov/sci/techresources/Human_Genome/graphics/

まずは最初の、発端となる先天的・器質的な原因についてです。
ダウン症は、「21番目の染色体が1本多い」ために起こっています。

本来は2本の染色体が、ダウン症には3本あります。
・・・というか、3本あるからダウン症になってしまうんですね。

生殖細胞の減数分裂時に染色体の不分離が生じ、通常では、2本1組の23対(46本)あるところが、47本あるということなんです。

染色体は、身体の、そもそもの元となるデータです。
元の段階で、既に違う情報のまま、分裂をなんども繰り返し、身体は作られていくのです。
おのずと、細胞の集合体である身体に不具合が生じるのは、無理のないことです。

つまり「ダウン症が体質的な不完全さを持っている」のは、染色体の違いが生む必然的なことだと考えられます。

実は、細胞分裂の過程で3本のトリソミーになってしまうのは、そんなに珍しいことではありません。
1番でも、2番でも、21番目以外の他の染色体でも同じように起こりうることです。

でも、生まれてくるのは、ダウン症、21トリソミーが圧倒的に多いんです。
これ、なぜかというと、21番染色体は小さくて、持っている遺伝子情報が一番少ないためです。

つまり、全体的な身体に与える影響が最小限で済んだため、健常な子との差が少なくて、生まれることが出来たということなんです。

ちょっと不思議な感じがしますよね。
生まれてきたら、明らかに全く違う、ダウン症は障害者だと判定されてしまうのですが、胎内においては、そんなに大差がないという評価なんです。

これが、たとえば、1番染色体の異常だったら、生まれてくることはないでしょう。
1番染色体は大きくて、多くの遺伝子情報を持っているので、この染色体にトリソミーなどの不具合が生じると、胎児として育たないことが多いのです。
自然流産はおおむねこのケースで、生まれてくる前に、不具合が生じて、生命として維持できない状態になるのです。

さらに、21番染色体の異常の中でも、ダウン症で生まれることが出来た赤ちゃんは、30〜20%です。
70~80%の胎児は生まれて来られません。

つまり、穿った見方かもしれませんが、生まれてきたダウン症の赤ちゃんは、かなりの生命力の持ち主ともいえるのです。
12番目以外の他の遺伝子は、すこぶる良い状態で、お母さんの身体の状態も良くて、生きる意欲に満ち溢れた、恵まれた赤ちゃんなんです。

でも、頑張って生まれてきたけど、彼らの体質は、決して生きやすいものではありませんでした。
このことは、今回、ダウン症を改めて調べてみて、より考慮する必要があることだと感じています。

細胞の異常が、身体機能の不完全を招き、些細なことが、少しずつ同時発生して、全体的に虚弱な身体となって現れているのです。
まったく合併症のないダウン症の子もいますが、多くの場合は、まわりのサポートや日常的なケアが必要です。
血行が悪くて冷え性だったり、骨格が不完全で、頚椎がズレないように予防する必要があったり・・・
病気になったからケアするだけでなく、日常的なルーティンとして、彼らの生活に身体のケアを組み込む必要があるでしょう。

たとえば、多くのダウン症の方は、色が白くて、ちょっとカサカサな皮膚をしています。
これは、血流が悪いうえに、皮膚組織が柔らかいためです。

うちの息子の場合も例外ではなく、皮膚が弱く、よく感染を起こします。
しかも、保湿剤などの薬の類は塗りたがらないので、年中湿疹や肌荒れからくるかゆみなどに悩まされています。
良くなったかなと、少し放っておくと、何かの拍子にまた悪化していたり・・・。
残念ながら、なかなか治らないんです。

おかげで彼の身体には、常に無用な炎症という負荷がかかっています。
これは、親の手を離れる前に、何とか、治しておいてやりたいことのひとつで、親としても悩みの種ですが、今回、思ったのは、皮膚ばかりを治すことに囚われていたなぁということです。

たとえば、もっとダウン症としての体質改善を試みるなど、全体性からみたアプローチも考えてみるべきと思いました。 

ダウン症候群といわれる所以

ダウン症と一般的に略していわれていますが、正しくはダウン症候群、遺伝子学的にいえば21トリソミーです。

この「症候群」という言葉の意味、ちょっと気になって調べてみたのですが、「原因は不明だが、いつも必ず幾つかの症状が伴ってあらわれるとき、病名に準じて使う医学用語」とあります。
同時に起る一群の症状、つまり、現れる症状はひとつだけではなく、いくつかの合併症を伴うということですね。

症候群とついたのは遺伝子が原因とわかる前ですが、ダウン症の場合、原因が特定されても、そのままの名前で呼ばれています。

原因が特定されても、21番目の遺伝子を治療する方法がないのは、今のところ変わりません。
複数の合併症に悩まされるというのも変わりません。
いくつかの大きな機能障害、たとえば心奇形や消化器などの器質的な疾病は治療が可能ですが、そのほかの、たとえば知的障害などの合併症は、治るものではありません。
ダウン症は、治る病気ではなく、・・・残念ながら障害であるということが、一番大きい問題だと思います。

それだからなのでしょうか。
ダウン症は病気というより、特徴である、個性である、という人もいます。
そして、多くの専門家は、諦めずに知的な発達を促すよう早期療育していこうといいます。

しかし、14年間息子を育ててみて思うのは、特徴や個性という、そんな一面的な言い方で割り切れるものでもないし、療育と言われる方法が身になっているかというと、どうだったかなぁと。
はっきりと効果があったかは、今となってはわからないなぁと思います。

今、私としては、多少無理矢理ですが、あえてダウン症を単純に定義したいと思っています。
「ひとつの原因によって、複数の症状や体質を生涯持っている人たち」です。

世間では、それを障害者と言うのでしょうが、あえて、違う言い方をするなら、そのような特異体質を持つという理解を、まずしようと思います。

ダウン症は、「病気でもなく、個性でもなく、しかし特異な体質で、比較的健康な日常生活を送るにも、特別なケアが必要な人々」です。

このような捉え方は、子どもの可能性を伸ばす気がないように思われてしまうかもしれませんね。
しかし、ここを出発点に、親として何ができるか、これから考えていきたいと思っています。

染色体異常は稀なことではない

ダウン症の1本多い染色体にも、3つのタイプがあり、次のように分類されています。

  • 標準型21トリソミー
    ダウン症全体の9096%を占めています。
    うちの息子もこれに該当します。
    通常、第1減数分裂期での不分離によります。
    両親は一般に正常な染色体数を持っており、子供が偶発的にトリソミーになったのです。

  • 転座型21トリソミー
    このタイプでは、3本目が他の染色体とくっついた状態で存在します。
    発生率は35%です。
    3
    5%の約半数において、両親のどちらかに転座染色体保因者がみられます。残りの半数は、両親の染色体が正常な散発性転座です。
    保因者の家系では、兄弟発生率も高くなります。

  • モザイク型21トリソミー
    全体の1~2%の発生率です。両親の染色体は正常です。
    正常な染色体をもつ細胞と、21トリソミーの型をした細胞が混在した状態です。
    21トリソミー細胞の割合が低いと典型的な症状が現われにくく、障害の程度が軽いため、診断されないまま成長する場合もあります。
    診断が見過ごされているものを含めると1%から10%と推定する報告もあります。

3つのタイプがあるものの、一番多いのは、ほぼ9割を占める「標準型21トリソミー」です。
遺伝的要素は少なく、偶発的な染色体異常と言われています。
また、染色体自体に変異は認められず、数のみが多いための症状という特徴があります。

実は、「染色体異常」とされるのは、それほど珍しいものではなく、出生時において、1000人のうち6人が「染色体異常」と診断されます。
そして、「染色体異常」と言われつつも、そのうちの1/3は、問題なく成長し、普通の生活をすることができます。

一方、自然に流産してしまう原因の半分は、「染色体異常」です。

つまり、それほどに、染色体異常は頻繁に起こっているものなんです。

さらに近年になって、高齢で出産する人が増えていますよね。
ダウン症の発生頻度は、母親の年齢が上がるとともに増加することは、よく知られています。
母親の加齢によって、卵子形成過程に起こる染色体の不分離が増加するからですが、ダウン症の出生率も、倍近くになっています。
現在、1000人に1人、発生するともいわれています。

生まれた我が子がダウン症なんて・・・どうして、私のところに?!と、思われるかもしれません。
実際、私も晴天の霹靂(へきれき)で、息子がダウン症で生まれた事実をなかなか認められませんでした。

でも、現在の出産事情を考えると、「あれ?実は、そんなに珍しいことではないのでは・・・」今回改めて調べてみて、そう思いました。
出生前診断の普及で、ダウン症の子を産まない選択をする方も増えるとは思いますが、あえてダウン症の子を生もうという人もいるでしょう。
どちらにせよ、これから割と身近な経験、ということになっていきそうな予感がしています。

さて、これまでで、ダウン症の大まかな原因が把握できました。
ダウン症が、そんなに稀なことでもないということもわかりました。
ここからは、果たして、ダウン症は治療できるものなのか、最新治療情報をみていきたいと思います。

ダウン症とiPS細胞

2014年の「ネイチャー」誌に、染色体異常をiPS細胞で修復できるとの発表がありました。
発表したのは、山中伸弥教授の研究グループです。

染色体異常の患者さんから採取した細胞に、多能性誘導因子を加えて人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り培養すると、染色体異常が自己修復されるというものです。

今まで、ダウン症などの先天性の遺伝子異常は、治療不可能で、「治療」というよりは「療育」が勧められてきましたが、原因となる染色体そのものを修復する治療法ができたら・・・それはすごく画期的なことです。

研究対象になった染色体異常は、「リング染色体」と呼ばれる病気の患者さんで、皮膚からiPS細胞を作成しました。
作製したiPS細胞を数カ月間にわたって培養したところ、ほとんどの細胞での異常な染色体が消え、正常な染色体に置き換わったといいます。

iPS細胞とは、多能性幹細胞「人工多能性幹細胞」=「iPS細胞(induced pluripotent stem cell)」の頭文字で、名つけたのは山中教授です。

iPS細胞は、人間の皮膚などの体細胞を採取して、多能性誘導因子とともに培養することによってできます。
体細胞が多能性幹細胞に変わることで、「様々な体組織や臓器の細胞に分化する能力」「ほぼ無限に増殖する能力」、この2つを合わせ持つ多能性幹細胞に変化するということです。

このようなiPS細胞の出現により、今後、ダウン症のような遺伝子の異常であっても、治療可能な「治せる病気」の範疇になっていくでしょうか。
まだまだ臨床で使われる治療法にはほど遠い基礎研究の段階かもしれませんが、うれしい一歩であることには変わりありません。


次も、同じく京都大学の研究チームによる研究です。

ダウン症とアルジャーノン

アルジャーノンと聞いて思い出すのは、ダニエル・キースの小説です。
『アルジャーノンに花束を』この物語の中で主人公は、脳機能を向上させる魔法のような薬を飲んで、天才科学者になります。

まるで、小説の中の薬と同じような効果が期待できると言わんばかりの命名ですが、特に小説になぞられたわけではないようで、「alterd generation of neuron」の頭文字を取って命名(ALGERNON)されました。
この研実は究を、2017年9月に発表したのは、京都大学 萩原正敏教授のチームです。

萩原教授の研究チームは、ダウン症の、神経細胞数の増加を抑制している遺伝子を特定し、その遺伝子の機能を妨げることで、神経細胞を正常に増やすという化合物、その名もアルジャーノンを発見しました。

妊娠したマウスにアルジャーノンを投与したところ、ダウン症マウス仔の大脳皮質の形成異常および低下した学習行動が改善したと報告されています。
このことは、胎児期にアルジャーノンを投薬して神経幹細胞の増殖を促すことにより、神経幹細胞の増殖低下から引き起こされる脳構造の異常を改善できる可能性を提示しています。

今回の研究では、ダウン症において、神経細胞の増加を抑える遺伝子DYRK1A(Dual-specifity tyrosine phosphorylation-regulated kinase 1A)が、過剰に働いていることに着目されています。
ダウン症のモデルマウスやダウン症iPS細胞では、神経幹細胞があまり増えず、神経幹細胞により供給される神経細胞数の低下がみられるのです。
このDYRK1A遺伝子の働きを妨げ、神経細胞の増殖を促す化合物は、700以上の候補から探し出されました。

この「アルジャーノン」、実用化されるでしょうか。
根本的な遺伝子の修復をするものではありませんが、ダウン症の合併症と言える知的障害に有効な物質が見つかったというのは画期的なことといえます。

このまま研究が進み、出生前診断とともに実用化がなされれば、お腹の中の胎児のうちから、治療が可能になります。
お母さんが服用することで、出生後に発現する合併症を軽快できる可能性が期待できるでしょう。

将来的にはサプリメントのようなかたちになり、ダウン症の方の生活の質が、飛躍的に向上するようなことにならないかなぁと期待しています。


次は、今一般的に使われている薬が、ダウン症の症状を軽快するものであるとの研究です。

利尿剤ブメタニドの効用

「利尿剤」として処方されている「ブメタニド」という薬が、ダウン症などの認知障害に有効であると、2015年、『Nature Medicine』でジェノヴァのイタリア・テクノロジー研究所(IIT)が発表しました。

IITの研究によると、ダウン症において、認知機能の問題の原因となるのは、神経伝達物質GABA(Gamma-AminoButyric Acid:γ-アミノ酪酸)の機能変異に起因するといいます。
GABAとは、ニューロン間で交換される情報の流れを抑制する分子のことですが、21番染色体トリソミーが存在している場合、過剰な情報の交換が引き起こされるというのです。

なぜ、ダウン症においてそんなことが起こるのか、と思ってしまいますが、日常的にダウン症に接している人であれば、彼らの身体の中で、情報のやりとりがうまく伝わっていないのは、思い当たることがあると思います。

一般的な言い方をすれば、それは「鈍い」とか、「痛みに鈍感」とか、あるいは、その逆で周りの誰かが怒られると「感情移入してしまう」とか、ダウン症の特徴と言われることが、そのまま当てはまります。

そういえば息子は、よく冷たい手足をしており、自律神経の調節がうまくいってないんだなぁとよく思うんです。

同研究所のアンドレア・コンテスタービレ氏の弁を借りると、「ニューロン間の適正な情報交換は、興奮性と抑制性の2つの神経伝達物質がバランスをとることで実現している」。

彼らの身体の中の神経伝達機能、「興奮性」と「抑制性」の2つの神経伝達物質がうまく働いていないのは、理解できることですね。

そして、このGABAの場合、IITの研究者は、「ダウン症においては、GABAのもつ抑制作用が興奮作用に変わり、ニューロン間の情報の流れが過剰で無秩序になります。それは塩化物イオン電解質の不均衡に起因している」と指摘されています。

「塩化物イオン電解質の不均衡に起因」?

うーん、これは、情報伝達のスイッチのon/offは、塩化物イオン電解質の多少に関わるからなんでしょうが、この電解質の不均衡をバランスよく整えてあげれば、GABAが正常に働いてくれるということですよね。

それを補う物質が先述の「ブメタニド」なんですね。やっとつながりました。
「ブメタニド」には、脳細胞の中に存在する塩化物イオンの濃度を減少させる作用があります。
長年使われている薬で、ほとんど副作用がなく、長期の服用が可能という利点も持っています。

「ブメタニド」の投与実験結果は有効で、成体の動物で、シナプスのコミュニケーションや学習・記憶のプロセスに、回復が見られたとあります。

今後は、実際にダウン症のグループで、この薬の試験が、行われるということです。
臨床の場面で使われる未来も、そんなに遠くないのではないでしょうか。

最後に甲状腺機能とダウン症について、みてみます。

ダウン症と甲状腺ホルモン

ここで紹介することは、最新情報ではありませんが、ダウン症と甲状腺機能の異常には、密接な関連があるので、あえて見直してみようと思います。

ダウン症の赤ちゃんでは、先天的な甲状腺機能低下症、すなわちクレチン症が見つかるケースが多いんです。
クレチン症は、今では出生後にスクリーニングが行われるため、すぐにクレチン症として治療が始められますが、かつては、ダウン症の原因ではないかと、因果関係がよく取りざたされた病気です。

というのも、このクレチン症、すなわち甲状腺機能低下によって発現する症状は、ダウン症のものと非常によく似ているからです。

甲状腺ホルモンによって調節されるはずの身体の機能がうまくいかないために起こる症状、それがダウン症でも同じようにみられました。

  • 代謝かうまくいかないために浮腫みがある
  • 自律神経が調節できず、体温を維持できない
  • 心臓や消化管など内臓がうまく働かない
  • 筋の緊張・骨の成長が遅れる
  • 新生児期の脳の発育や成長が未熟である

これらのどれも、発達不足、不完全、未熟という言葉とともに、ダウン症の症状といわれているものです。
これが、甲状腺ホルモンの投与で改善されるのであれば、それに越したことはないわけですよね・・・。
症状が軽快するのであれば、その薬は効果がある、という考え方は、よくあることです。

染色体の研究分析が進み、ダウン症は、染色体異常が原因であることがわかりましたが、それでも21トリソミーの患者に、とりあえず、甲状腺粉末を含んだビタミンを処方するという臨床例も少なくありません。
甲状腺粉末は、いまだにダウン症に効く薬として、よく推論されているのです。
ミルクアレルギーの症状が甲状腺ホルモンの投与で軽減されたという報告がある一方で、長年に渡って服用していると、自らの甲状腺ホルモンを分泌する器官を弱らせてしまう結果になりかねないということもあります。

また、実際に思春期以降において、新たに甲状腺異常が見つかったという話はよく聞きます。
ダウン症に特有のこととして、甲状腺機能の検査で、甲状腺機能低下症には当てはまらないまでも、ある検査結果のみが異常値を示すなど、ダウン症ならではもケースもよくあるんです。
このように、甲状腺ホルモンの過不足に関係する治療は、諸刃の剣と言えます。
一概に甲状腺機能低下症の治療をそのままダウン症に当てはめるわけにはいきませんが、どちらにせよ、類似する疾病として、気にしておく必要がありそうです。

まとめ

今回は、14歳になるダウン症の息子に、思春期の兆しが見えたことがきっかけで、もう一度、ダウン症というものを捉え直してみました。

結局、何が見つかったかというと、平たくいえば、ひとつは親のエゴでしょうか・・・。
ダウン症の原因を調べているうちに思ったのは、彼らは、決して彼らのせいで、ダウン症として生きているのではないということです。
当たり前のことですが、私を含め、周りの人たちが、本当にそう思って接しているかというと、どうなんだろう、という疑問が湧いてきました。

できないことが多いのも、21番染色体が3本あるからでした。
できないより、できた方がいいとは思うのですが、彼らが努力していないから、できないわけでは決してないんです。
出来ない責任を彼らに押し付けていたなぁ・・・反省しました。
結果、彼らに努力を強いるということに陥っていました。

出来ないことが出来るようになるのは、本人も親も周りの人も、ことのほか嬉しいのですが、そればかりを求めると、本人の実像を見失うことになるでしょう。

また、「遺伝子異常」が稀なことではないということも、今回、改めて認識しました。
iPS細胞に代表される遺伝子研究や胎内治療、脳神経を扱う研究も、息子の生まれた14年前とは違い、研究が臨床へ導入されていくような活気が感じられました。

引き続き、ダウン症治療については有効な方法は調べていきたいと思っています。

こちらの記事もどうぞ!
「ダウン症の特徴?頑固って言われるのはなぜ?」↓
https://ichinyoru.net/2019/08/12/down-sho-seikaku-tokucho/

コメントを残す

*