ある自閉症の子に会うと、毎回「車種は何ですか?」と訊かれます。
「うちの車は〇〇だよ。」と答えると、今度は「エアコンは?」と聞かれ・・・エアコンの機種なんて気にしていない私は、曖昧に「HITACHIかな?」と答えると・・・、

「シリーズは何?品番は?」
「えーと、うーん、白くまくん?かな~?」

そんなやりとりを2、3繰り返したあと・・・
彼は、唐突に身体を傾げて、跳ねながら去っていきます。

こんな会話をしていると、自ずと疑問が湧いてくるんです。
自閉症や発達障害を一体どう理解したらいいんだろうか・・・

息子の学校に行って、子どもたちと会うたびにいつも思っていました。
なんとなく知ってはいるけれど、この子たちの本当のところを、全然わかっていないんだよなぁ・・・。

彼らと会って話をした後は、いつもモヤモヤした後味を感じてしまいます。
もっと理解したい欲求が、確かにあるのですが、私にとって自閉症の彼らは、なんとも理解しがたい、実態のつかめない存在でした。

今回、自閉症当事者の方が書いた著作をいくつか読んでみることにしました。
お医者さんや研究者など、外側にいる人ではなくて、内側にいる人が書いたものです。

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