ひとりでできる!バス通学も電車通学も夢じゃない!

先日、我が家に「えっ!ウソでしょ?!」という事件が発生しました。
まあ、息子がらみのことなんですけどね・・・。

母は、最初、何が起こったのか・・・全然、把握できなくて・・・

しばし、ボーゼンとしてしまいました・・・冷汗

ハッと我に返ってからは、どうしてこうなったのか?

人間て、グルグル、記憶をたどって、原因を突き止めようとするんですね。

挙句の果てに起こってないこととして、現実逃避しようとしたり・・・

母は、もう完全に機能停止しそうでした。

一方の息子くんは、といえば・・・・そんな母の心配はどこ吹く風で、やったぞ!という達成感に満ち溢れていました。

息子の、なんて誇らしげな顔・・・なんて、対照的な二人・・・。

ドタバタな事の顛末に、しばしお付き合いくださいね。

休みの日のやる気スイッチ?

事件が起こったのは、月曜日の朝のことです。

前の週の土曜日に運動会があって、この日はその振替休日で、息子は朝から一日、学童保育所で過ごすという予定でした。

いつものことですが、朝はバタバタです。

お弁当作って、朝ごはんを「もっと食べたい!」と一徹な主張でがんばる息子をなんとか説き伏せて、急き立てて、着替えさせて、顔を洗わせて、歯磨きさせて・・・

母親の不手際もあるんですけどね、いつも以上にあわただしい朝になっていました。

「さぁ!もう、いくよ~、靴はいて~」

私は私で自分の用意もあって・・・なんやかんや・・・そのうちに、息子は
外に出でいて、見ていないうちに、かいがいしく、ゴミ出しなんかもやってくれて・・・

「わあぁ!ありがとう!助かる〜えらいね~」

今日の息子は、完全にやる気スイッチが入っていました。

張り切りモード全開!やる気まんまん!だったんです。(今思えば・・・)

Suicaを持って、おやつ代も持って、ルンルン気分で、終日、学童保育所で過ごせることを楽しみにしていました。

「よーし!じゃ出発~」

いつものように車を走らせ、いつものように、いくつかの信号で止まって、10分ほどで学童保育所に、到着しました。

「着いたよ~!」

後部座席のドアを勢いよく開けると・・・・・・

・・・えっ!!??いない!!
・・・えっ!!??どういうこと?!

いません! 息子の姿がない! どう探しても、どこにもいません!
気配すらありません!

あんまりびっくりしすぎて・・・こういう時って、時間が本当に止まる・・・驚いていないみたいになるんですね。

・・・えーっと、ちょっと、待って・・・
私、息子を忘れてきたの・・・???
ホームアローン?!?!

「・・・とうとう、やってしまったか・・・」と本当に、血の気が引きました。サーっと音を立てて・・・本当に音が聞こえる・・・

息子がいないことが信じられなくて、一回ドアを閉めて、また開けて・・・
確認せずにはいられない・・・なんて、無駄なことを・・・

しーーーーーん・・・ボーゼン・・・

(この時の心境は、いまだになんて表していいか、わかりません。)

「落ち着け、私」

 

ひとりでできる!かもしれない

やっと、気を取り直して、学童の先生に電話して・・・

そのとき、思ったのは、

「もしかしたら、ひとりでバスに乗って・・・
 今、学童保育所まで歩いてるかもしれない・・・」

ということでした。

なんども、なんども、私と一緒に通っている道なんです。

しかも、今日はSuicaも持っているし、もしかしたら、ひとりでできるかもしれないと・・・


とにかく、今、来た道を急いで引き返しました。

気ばかりが焦りますが、ゆるく渋滞していて、急ぎようにも急げません!

やっとの思いで、家に着きましたが、やっぱり息子の姿はありません・・・

家には鍵がかかっています。私が出るときに締めたんですから、かかっていていて当然、家に入れない状況を作ってしまっていました。


ここは、もう観念するしかない・・・覚悟を決めるしかないと思いました。

万が一のことも想定して・・・警察にも連絡しなくちゃ・・・

とにかく、息子が行ったであろうバスのルートを辿ろう・・・・歩きながら、「もしかしたら、着いているかもしれない」・・・

もう一回学童に電話しました。

「先生、やっぱり、家にはいませんでした。これから、探しながら、そちらに向かいます。もしかしたら、自力で行くかもしれませんので、その時はお願いします!」

「はい!わかりました!・・・このあたり、探してみますね・・・

と、そのとき・・・
あ!お母さん!着きましたよ!」

「わーーーーーひとりで来たの!」
「すごいね〜、えらいかったね〜」

先生の声に重なるように、息子の声が聞こえてきました。

「・・・ツキマシタ!オハヨウゴザイマス!」

明るく誇らしげな声でした。


・・・・よかった・・・着いた。ひとりで行けたんだ・・・

ひとりでできる!という自信

・・・よかった・・・

安堵が身体に拡がって、同時に困惑と、嬉しさと・・・

こんなハプニング・・・誰が予想したでしょう・・・

あいさつをする息子の声は、携帯越しでも分かるぐらい、達成感に満ち溢れていました。

そして、思ったのは、「できるんだ~」ということでした。

親としては、心配が先に立ってしまって・・・でも、その心配は、彼を「枠」にはめていたんだ、ということに気がつきました。

我が子ながら申し訳ない。私は彼を見限ってました。

14
歳の彼は、14年分、着実に経験を重ねて来ているんですね。



ダウン症の子の可能性は、早期療育にあるといわれています。

親の怠慢かもしれませんが、「療育って一体なに?」という疑問が解消しないまま、ここまで来てしまっていたんです。

「できることが良いことで、できないことがダメなのか」
「健常な方へ、少しでも近づくための療育なのか」

すすんで療育しようという気になれませんでした。

おかげで、なんの手立てもせず、今日にいたってるわけですが。


でも、今日思いました。

できることを増やす、少しずつでも獲得していく、それだけでよかったんだなと思いました。

それが彼にとって喜びになれば、それだけでよかったんだなと・・・。

こんな単純なことですが、改めて実感させられました。

バス通学・電車通学も夢じゃない!

ひとりで、家をでで、目的地まで、交通手段を使って移動する、
そんなことが、障害者にとっては、ひとつのハードルです。

今はまだ、学校に通うのも、スクールバスに乗っています。
でも、来年、高校生になったら、ひとりで通学するようになります。

今年、一年かけて、練習して・・・と思っていたんです。
先生からも自主通学に向けての計画書を出してくださいね、と言われていました。

そんな矢先に、この事件です。

もう、本当に「驚愕と戦慄」でしたが、「これは、意外と早く達成できるかもしれない❤︎」となんだか一筋の光明がさしてきました。

なんて・・・大げさですね。
大仕事と思っていたのは、親だけなんでした。

本人はいたってシンプル、「もう、ひとりでできるよ!」ということだったんですね。

事件の顛末を回想する

息子よ!感動と反省をありがとう!君のこと、忘れてしまった母を許して!
と・・・とりあえずは、平謝りしたのですが・・・

でも!

どうしても、腑に落ちなかったのは、
「なぜ、私は息子を忘れて、発車したんだろうか・・・?」
ということでした。

そんな漫画のような痛恨のミス、どうしてしてしまったんでしょう?

それが、どうしても信じられなくて、必死で、そのときの場面を回想してみました。

ゴミ出しをしてくれている息子の姿は見ているんです。

で、車の周りにいなかったので、もうてっきり、乗っているとばかり思い込んで、後部座席は見ずに発車させて・・・そのままルーティンワークのように学童まで車を走らせたんです。

数分のことで、もう、記憶もないんですが・・・

・・・つまり、そのとき既に、息子の姿はなかったんじゃないかしら?

その日、彼は真っ赤なウインドブレーカーを着ていました。

結構目立つ赤です。

これに気づかず、車を出すだろうか・・・???

結局、私が至った結論としては、息子は、やる気だったということでした。

「今日はバスで行く日!」と思っていたのかもしれません。

車に乗る気はまったくなく、先行してバス停までひとりで出発したんだと思います。

で、後ろから追いかけてくるはずの母は、車で出動して・・・

彼としては、バス停に着いた・・・あ、バス来た、母いないけど、乗ろう・・・ぐらいの感覚で、ためらいもなく行動を起こしたんだと思います。

バスに乗ったら、降りるのは終点ですから、ピンポンする必要もありません。

あとはいつもの要領で、バス停から学童までの道を歩けば、着いちゃうという・・・そんなことだったと思います。

迷いもためらいもなく、母のいないことに不安もなく、たんたんと遂行されたのでした。

で、切実に思ったんです。

GPSつけよう!

緊急時の連絡先を持たせよう!

GPSは、やっぱりつけよう!

昔はGPSなんてなかったですからね。

親の心配はどうしてたんでしょうね。

便利になったものです。

普通の子も普通に持ってますよね。

なくてもいい?いや、あったほうが絶対安心できるでしょ!

文明の利器は、十分に活用しなくちゃ!と思います。

というわけで、

GPSは絶対つけようと心に誓った母でした。

今、いろいろ出てますよね。

通話機能が着いている腕時計型のもありますよね。

どれを選ぶかは大変悩ましいですが、早々に検討して、きっと近々付けようと思います!

コメントを残す

*