本当に早いもので・・・4月から息子も高校生です。
今まで、登下校は、スクールバスが頼みの綱でしたが、高等部になると、この通い慣れたスクールバスには乗れなくなります。
基本的には、「一人では通うことができない」「家族も送迎できない」という特別な理由がない限り、一人通学へ移行するよう奨励されます。
将来的な自立を促すためにも、そういう方針なんです。
これは、多くの特別支援学校が行なっていることで、うちの息子の学校の場合も例外ではありません。
・・・ということで、ようやく、やっと重い腰をあげて、母と息子は、一人通学の練習を始めました!
もう中学3年の3学期ですよ〜。もう本当にあとが無いんですよ〜。
母の怠慢で、ホント申し訳ない。こんなギリギリで・・・ごめんよ、息子・・・
・・・で、現在、かなりせっぱ詰まった状況に陥っています。汗
目次
高等部になったら、スクールバスに乗れなくなる!
現在、息子は、小学部から中学部〜高等部まである特別支援学校に通っています。
小学1年から中学3年までの9年間、毎日、毎日乗っていたスクールバスに乗れなくなるというのは、母子ともに天変地異?!といってもいいぐらいの大変動なんです。(・・・言い訳と叱られそうですが・・・)
通常の場合といってはなんですが、健常な中学3年生だったら、高校受験真っ只中ですよね。
それに比べたら、なんてことない、ちっちゃい悩みだって、いわれそうですけど。
・・・でも、障害児とその家族にとっては、毎日の生活に関わる、結構な悩み事になっています。
この変化を、多くの特別支援学校に通っていた先輩たちが乗り越えてきたわけですけれど・・・みなさん、どうされていたんでしょうね?
「高校になったらスクールバスに乗れなくなる」というのは、前々からわかっていますから、小学生のうちから、計画的に、着々と準備したという方もたくさんいらっしゃるでしょうね・・・
親の怠惰が、我が子にこんなに影響するなんて・・・結局、こんなに慌ただしく始めることになってしまって・・・息子よ、本当に反省しています。
母の時間配分と息子の時間感覚は、まったく違う・・・そのことは、重々承知していたはずなのですけどね・・・なかなか・・・前もって計画的に事を進めるということが苦手で・・・母の問題です。本当に申し訳ありません。
そんなことをぼやいているうちに・・・わー3学期が過ぎるのが早いこと早いこと・・・
「高校になったらスクールバスに乗れなくなる」こんな後ろ向きな言い方をしましたが、実は、これは言い換えると・・・
「公共交通機関に一人で乗れるように努力する」ということなんです。
前向きに考えると、建設的な改革といえなくもないんです。
実際、公共交通機関に乗れることで、就労先の選択肢は広がりますし、それに「一人で通えること=自信になる=自由意志につながる」ということは、経験済みです。
学童保育所に一人で行けたときの、あの達成感がみなぎった息子の顔、あれは母にとっても忘れられない出来事でした。
(当時の記事です。ご参考までにご覧ください!↓)
https://ichinyoru.net/bus-tugaku-hitoridedekiru/
そんなわけで・・・残り少ない中学生活、毎日、完全一人通学ができるよう頑張っているわけです。
あと2ヶ月弱の中学生生活です。高等部に入って、すぐにハイ独り立ち!というわけにはいかないでしょうが、徐々に完全一人通学ができるよう、母はGPSと尾行を駆使して、かげながら頑張ります!
通学の付き添い、いつになったらやめられる?!
さて、ほぼ1ヶ月、毎日路線バスで通ってみて・・・その結果、なんとか、登校時は、一人で通えるようだな〜と、明るい見通しが立ってきました。
問題は、帰りです。下校のとき、乗車するバス停には、行き先の違う3系統のバスが止まるんです。
違うバスに乗ってしまったら、まったく行ったことのないところで迷子になってしまうでしょう。
なので、目下の課題は・・・
- 行き先の違う路線バスを見分けて、自分の乗るバスがわかるか。
- 自宅付近のバス停に近くなったら、わかるか。
- 下車するバス停の近くにきたことがわかって、ピンポンを押して下車する意思を伝えられるか。
- 混んでいるとき「降りまーす」といえるか。
などなど・・・
本当に細かいことなんですが、色々心配はつきないんです。
毎朝、一人通学は無理なので、高校生になってからも、送り迎えをしているというお母さんもいらっしゃいます。
なんとも言えないんですが、もし、息子の課題がすべてクリアできたら、母子の達成感もすごいだろうな〜とも思うんです。
結局、下校の見通しは、現段階ではないのですが、そうなるまで、付かず離れず付き添うということになるんでしょう。
高校卒業時には、なんとか一人で仕事にいけるような素地をもっていてもらいたいものです。
一人で通えることが母の仕事にも影響する
フルタイムで仕事をもつ多くの障害児のお母さんには、ちょっと共感してもらえるかも・・・と甘いことを思っています。
朝、学校の玄関が開くのは8:40なんです。その時間に一緒に登校して、そこから、都心に通うとなると・・・自分の仕事に間に合わなーい!というのは、容易に想像していただけますよね。
うちの事情ですが、高校生になると、学童保育所にも在籍できないので、その分早く帰ってくることになります。
今までは学童に19:00までに迎えに行けばよかったので、その分仕事ができて助かっていたのですが、高校生になって16:00下校時間になると、一人で帰ってこられるとしても、17:00には母も帰宅する必要があるという計算になります。
ちょっとの間、一人で留守番してもらうとしても、そこにいたるまで、細かな心配はつきません。
留守番しているとき、訪問者がきたら、どうするか?電話がなったらどうするか?玄関の鍵がうまく開けられなかったら?
色々想定できますが、結構、親の想定外の行動もとるので、何が起こるか予想がつかないという不確定要素をどう捉えるか、母の気持ちの持ち用という気もしますが・・・そこは、すっぱりと子どもに任せるという割り切りも必要かもしれません。
雨の日の対策はどうしたらいいの?
雨の日は、色々、やることがあるんですよね。
傘を広げる、たたむ、この動作は、雨が降らないとやらないので、これが意外に経験不足ということがわかりました。
特に、今年の1月は、ほぼ晴れた日ばかりで、雨の日は1日だけでした。
雨の日は、ただでさえ、濡れるという不快な面があるので、なるべく周りの人の迷惑にならないように、傘を広げること、たたむことがポイントになると思います。
でもそれには、サッと、傘を畳んで、ストラップを止めてと、手際の良さ、スピードが要求されます。
どうしたものかな〜〜〜
雨の日のレイングッズを扱いやすいものに買い換えるというのもひとつの案かしらとも思います。
カッパや、傘や、長靴、リュックのカバーなども必要な気がします。
本人も、一緒のバスに乗る乗客のみなさんにも快適な装備を、探してみたいと思います。
不測の事態にどう対応する?!
もし、バスが事故にあったら・・・どうなるでしょう。
あるいは電車だったら、人身事故などで遅延することもよくあることです。
停止信号で電車の中に止まることになったり・・・復旧するのに時間がかかるのということで振替輸送を促されたり・・・ホームが大勢の人で溢れかえったり・・・東京だったら、割とよく見る光景ですよね。
こんなふうなことは、東京都内で、特に電車だったら、想定内のことでしょう。
ある程度、誰もが経験していることで、不測の事態でもないのかもしれません。
でも、うちの息子が、これに対応できるか・・・といったら、これは、まったく対応できる気がしません。
そうなったら、そうなったとき、と割り切るしかないのかもしれません。
経験値を増やすしかないのかな〜とは思いますが、この問題は、もっと電車に乗るようになったら、また考えてみたいと思います。
付き添い者にも割引が適用される
付き添い分の交通費もバカにならないな〜、どうしようと思っていたんです。
朝1往復、帰りにまた1往復、行ったり来たりで、当人の2倍の運賃がかかってしまいます。
でも、幸いなことに、通学費は、就学奨励費として、世帯収入に応じた額が支給されます。
全額ではありませんが、この一人通学への移行の時期、毎日のことですから、こ本当に助かります。
また、当人には障害者割引が適用され、付き添い者にも同じぐらいの割引があります。
今回は、卒業式までに、なんとか、ほぼ一人で通えるようにしたい!という母の気合もあり、思い切って二人分の定期を購入しました。
家計的には出費ですが、背に腹は替えられません。
まとめ|やってみてわかったこと
中学生活、最後のラストスパートという勢いもあって、現在、毎日、母子二人で登下校しています。
今回、路線バスに乗るようになって、いろいろ、分かったことがあります。
いいことと、周りに迷惑をかけてしまうこと、いろいろありました。
- まず、道は、結構早く覚えることができるということ、です。
何をもって、覚えているのかはわかりませんが・・・シチュエーションで覚えているのか、景色で覚えているのか、でも、数回通った道は、あまり、間違えずに目的地まで行くことができます。 - 乗ったら、バスの入り口付近に立ってしまう。
リュックのストラップに定期券をしまうポケットをつけたのですが、それに、いち早く定期券をしまいたいようなんです。ピッと定期をかざして、手に持った定期券をポケットにしまおうとそこで止まってしまいます。そうすると、後ろから乗る人の邪魔になってしまうんですよね。
そのことを、私が注意すると、意固地になってさらに動かなくなってしまうので、今は様子をみています。
これについては、乗る前に、入り口に立たないように一度指示して、最悪の場合は、周りの人に注意されてもいいと覚悟で・・・どちらにしても乗車するときの経験を増やしていくしかないですね。 - 意外に乗客のみなさんが気にしてくれる。
これは、私が特に嬉しかったことです。一人でどのように行動するか見たいので、私は、ちょっと他人のふりをしていたりします。
あるとき、リュックが椅子の手すりに引っかかって、降りるバス停で降りられなくなっていました。そうすると、付近にいた方が外して手助けしてくれました。
また、ペットボトルを車内に転がしたこともあります。モタモタしていてなかなか降りられないのを察して、運転手さんに声かけしてくださったときもあります。
そんな時は本当に感謝しかありません。
障害者は、嫌がられることも確かにあるのですが、話しかけてくれたり、手助けしてくれたり、そんな方も、確かにいて下さるんです。
どこかで誰かが見ていてくれている、そんな漠然とした安心感みたいなものが感じられて、大変嬉しく思いました。
ありがとうございます!