「そういえば、目と耳って、2つずつあるんだった・・・」
福島氏の生い立ちをたどっていて・・・そんなことをふと思いました。
右目を3歳、左目を9歳で失明し、18歳で聴力も失ってしまう・・・
普段、自分の目と耳がいくつあるかなんて、そんなこと気にも留めていませんでしたが、とたんに一つ欠けてもいけない、替え難いものだということに気づかされました。
徐々に視力がうすれていく、音がだんだんと小さくなっていく・・・
感覚がうすれていく・・・そのときの心境は、一体どんなものだったのでしょう。
健常者がいくら理解しようとしても・・・どうしたって本当のところは分からないだろうと言われてしまうかもしれません。
でも、そのときの気持ちを想像しないわけにはいかない気がするのです。
それは健常者の衝動と言えるかもしれません。
そしてそれによって、あらためて気づかされることがあった・・・それだけで、意味のあることのように思います。
今このとき、福島氏のことを知ることができて、本当に良かったと思います。
穿った見方かも知れませんが、福島氏のような障害者の方は、「知るということの大きさを、誰かに気づかせる存在」なのかもしれません。
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おすすめ本
伊藤亜紗さんの身体論|なるほど!目の見えない人は進化の最前線にいるんだね
『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
何気ないタイトルですよ、本当に。
一見すると、目の見えない人のことを書いた、ごく普通の専門書のようです。
でも、実は、いきなり冒頭から裏切られます。
この本に書かれているのは、タイトルのテーマどおり、目の見えない人の世界のことが書かれているのですが・・・
でも、まずこのタイトル、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』って、
どこかおかしくないですか?
目が見えない人なのに、どう見ているのか、って問いかけているんですよ。
はなっから「目の見えない人でも見えている」という前提ですよね。
さらっと意味ありげなタイトルがつけられているんです。
この本では、伊藤亜紗さんの「好奇心」と「変身願望」が存分に発揮されています。
そして、私たちの常識や既成概念を小気味好く揺さぶる!面白い本です。